この記事は「届かないクラウドファンディング Advent Calendar 2018」に向けた記事です。
すっかり忘れていたのですが、、私にもありましたよ。届いていないものがっ!
何に支援した?
それは「Elephant Steady」というiPhone用のスタビライザーです。
熊本のアドプラスが開発、Kickstarterなどで資金調達をしていました。
iPhoneのセンサーとプロセッサを使用することで、安価($79)にそして世界最小のモータースタビライザーになるという謳い文句でした。
また、アプリケーションの発展でSiri対応や顔認識を使った自動トラッキングの提供も約束できると言っていましたね。
プロトタイプの動画もあり、動いているものはあったようでした。
この時はiPhone5sの頃で、いずれ出る6にも対応するとの事でした。
このプロジェクトは最終的にKickstarterとキャンプファイヤーで合計約1022万円の資金調達を成功しました。
資金が足りなかったのかその後indiegogoでも募集を行いましたが失敗したようです。
正直そこまで欲しかったのかよく覚えてないんですが、安いし良いかなという軽い気持ちでしたね。
時系列
このプロジェクトの様子はだいたい以下のような感じです
[2014.7.16]
Kickstarterでファンディング開始
[2014.8.5]
Kickstarter 目標金額達成
[2014.8.25]
camp fireでファンディング開始
[2014.8.28]
camp fire 目標金額達成
[2014.9.10]
iPhone6、iPhone6 Plusの発表。
iPhone6 Plusが想定外の大きさなのでどうするか検討するのとコメント
[2014.9.22]
iPhone6 Pluisには対応しないと正式に発表
それを理由とした返金を受け付ける
[2015.1.16]
当初の予定だった2月末の発送を断念したとの報告。
製造工場を変更するとのこと。
[2015.2.17]
7月下旬に発送する目処が立ったとの発表
[2015.6.1]
サーボモーターとバッテリーのサイズが大きくなりデザインの修正をすると報告
[2015.6.3]
試作機が到着したものの動作がおかしいと近況報告
[2015.7.16]
満足のいく品質になっていないために7月末の発送を断念したとの報告
返金を受け付けると発表
[2015.7.24]
9月1日から返金を始めると発表
[2015.8.3]
有限会社アドプラスが熊本地方裁判所より破産手続の開始決定を受け倒産
この時、倒産についての発表は無かった
[2015.9.29]
別の会社に引き継ぐと発表
詳細は不明
[2015.11.9]
アドプラスは倒産しているとの報告
[2015.12.21]
3度目の試作が出来たと報告。動作に問題があるものの、大きさは満足いくものになったとの事。
プロジェクトはGIZMON LLCが引き継ぐと発表。既に資金が底をつき返金の予算がないが、2016年3月までにはすべての返金を終わらせるということ。
だが、これ以降は音沙汰がない…
返金を希望している人にはまだ返金が終わっていなく開発状況に関しての報告もありません。
弁護士事務所に問い合わせて返金を受けた人はいるみたいですが、その他に返金を受けられた人がいるかも不明です。
支援者からのコメントの中には「日本人に騙されるとは思わなかった」というものもありなかなかに辛いものがあります。
騙す気はなかったとは思いますが、倒産の直前の返金発表やコメント無視をし続けている状況では擁護のしようがありません。
クリエイターへの支援は製品を確実に手にできるものではありませんが、クリエイターはリワードを提供できなかったに場合は最大限の説明義務があります。これまでの報告をもってKickstarterの規約に沿った義務を果たせたとは思えません。
今となっては支援した事すら忘れていたぐらいもうどうでもいい事ですが、これからクラウドファンディングを(クリエイターとしても、支援者としても)活用しようと思っている人にはこんなことがあったよってことを知っておいてほしいと思い長々と書いてしまいました。
おわり