ジェネレーティブデザインでキーボードを作る

この記事は自作キーボード Advent Calendar 2018の12/24の記事です

最近自作キーボード界隈では3Dケースが流行ってますよね。
私もちょっとやってみたくなったのですが、ただ作るだけではネタにならないので、最近Fusion360で使用できるようになったジェネレーティブデザインを使ってみましたという話です。

ジェネレーティブデザインは素材や応力等の条件を定義して、最適な形状をAIで計算させるというものです。
当方は素人ですので使い方や手順に関しては間違っているところがあるかもしれません。そういうものがあるんだね程度であまり参考にしない方が良いかと思います。また現在のところサブスクリプション版のみの機能です。

まずは形状から

1U分のスイッチとマウントとPCBを用意します。
PCBは「無限の可能性」を使ってみます。

それを組み合わせてなんとなくそれっぽい形にしてみます。
また、Pro Microを入れる箱と足を決めておきます。

必要な形状とは別に、禁止エリアを定義する必要があるのでそれ用のボディも作っておきます。(緑色の部分)

禁止エリアが多いのでちゃんと出来るか色々不安があります。

ジェネレーティブデザイン

作業スペースをジェネレーティブデザインに移し、まずはデザイン空間を定義します。
緑色の部分が必要なボディ(保持ジオメトリ)で赤い部分が禁止エリア(障害物ジオメトリ)です。

次に、構造拘束にて固定される部分を定義します。これは足の裏側を指定します。

構造加重にて耐荷重を定義します。とりあえずマウント部分それぞれに垂直に10N(約1kg)かかることにしました。

使われる素材を決めます。ここではABSとしました。

これで最低限の定義が終わりました。

生成

早速生成を始めたいと思いますが、なにやら警告が出てます。

キースイッチなど、生成に使わない部品を非表示にしていたのですが怒られました。
でも無視します。

さて、生成するには1回につき25クラウドクレジットが必要との事ですがいくらなのでしょう?
100クラウドクレジットが17,280円なので…4,320円(税込)です!
お遊びでやるにはちょっときついです…
シミュレーションのようにローカルで出来るようにして欲しいですね。

覚悟を決めて生成ボタンを押すと、データがアップロードされて計算が始まりました。
処理中の画面は少しずつ形状が変わっていきます。後は待つだけです。

計算終了

計算には3時間ほどかかり、5つの結果が出来ました。
どうやらFDM方式の3Dプリンタで製造するときの方向XYZそれぞれのパターンと、3軸CNCで作るパターンと、何も制限がかかっていないものというバリエーションのようです。

ステータスは収束と完了に分かれており、収束は問題なく終わったもの、完了は何かしらの理由により停止したもののようです。収束したのは制限なしの1つだけでした。

つまり、素材や荷重等のバランスが無理という事でしょうかね?この辺は何度かやってみないといけなそうですがその都度クレジットがかかるんですよね…

とりあえず収束したものを見てみましょう。
なにやらそれっぽいものが出来たようですよ

うーん、これはちょっとやってしまったようです。
障害物ジオメトリを上面側に大きくとらなかったせいで、親指スイッチの上側までボディが伸びてしまってますね。

それと、きっと配線は厳しくなるだろうなとは思ってましたが、そもそも「無限の可能性」も入らなそうなところがいくつかありそうでした。

とはいえ修正すれば何とか形にはなりそうな気がします。
このデータを書き出してみましょうか。

えっと…

データを取り出すには100クラウドクレジット(17,280円)かかるようです!

ネタにこれ以上出せないのでここまでにしておきます…
(誰かお金下さい)

おわり

この記事はHelix5行 バックライト 版で書きました。

届かなかったiPhone用スタビライザー

この記事は「届かないクラウドファンディング Advent Calendar 2018」に向けた記事です。

すっかり忘れていたのですが、、私にもありましたよ。届いていないものがっ!

何に支援した?

それは「Elephant Steady」というiPhone用のスタビライザーです。

熊本のアドプラスが開発、Kickstarterなどで資金調達をしていました。

iPhoneのセンサーとプロセッサを使用することで、安価($79)にそして世界最小のモータースタビライザーになるという謳い文句でした。
また、アプリケーションの発展でSiri対応や顔認識を使った自動トラッキングの提供も約束できると言っていましたね。

プロトタイプの動画もあり、動いているものはあったようでした。

この時はiPhone5sの頃で、いずれ出る6にも対応するとの事でした。

このプロジェクトは最終的にKickstarterとキャンプファイヤーで合計約1022万円の資金調達を成功しました。
資金が足りなかったのかその後indiegogoでも募集を行いましたが失敗したようです。

正直そこまで欲しかったのかよく覚えてないんですが、安いし良いかなという軽い気持ちでしたね。

時系列

このプロジェクトの様子はだいたい以下のような感じです

[2014.7.16]
Kickstarterでファンディング開始

[2014.8.5]
Kickstarter 目標金額達成

[2014.8.25]
camp fireでファンディング開始

[2014.8.28]
camp fire 目標金額達成

[2014.9.10]
iPhone6、iPhone6 Plusの発表。
iPhone6 Plusが想定外の大きさなのでどうするか検討するのとコメント

[2014.9.22]
iPhone6 Pluisには対応しないと正式に発表
それを理由とした返金を受け付ける

[2015.1.16]
当初の予定だった2月末の発送を断念したとの報告。
製造工場を変更するとのこと。

[2015.2.17]
7月下旬に発送する目処が立ったとの発表

[2015.6.1]
サーボモーターとバッテリーのサイズが大きくなりデザインの修正をすると報告

[2015.6.3]
試作機が到着したものの動作がおかしいと近況報告

[2015.7.16]
満足のいく品質になっていないために7月末の発送を断念したとの報告
返金を受け付けると発表

[2015.7.24]
9月1日から返金を始めると発表

[2015.8.3]
有限会社アドプラスが熊本地方裁判所より破産手続の開始決定を受け倒産
この時、倒産についての発表は無かった

[2015.9.29]
別の会社に引き継ぐと発表
詳細は不明

[2015.11.9]
アドプラスは倒産しているとの報告

[2015.12.21]
3度目の試作が出来たと報告。動作に問題があるものの、大きさは満足いくものになったとの事。
プロジェクトはGIZMON LLCが引き継ぐと発表。既に資金が底をつき返金の予算がないが、2016年3月までにはすべての返金を終わらせるということ。

だが、これ以降は音沙汰がない…

返金を希望している人にはまだ返金が終わっていなく開発状況に関しての報告もありません。
弁護士事務所に問い合わせて返金を受けた人はいるみたいですが、その他に返金を受けられた人がいるかも不明です。

支援者からのコメントの中には「日本人に騙されるとは思わなかった」というものもありなかなかに辛いものがあります。

騙す気はなかったとは思いますが、倒産の直前の返金発表やコメント無視をし続けている状況では擁護のしようがありません。

クリエイターへの支援は製品を確実に手にできるものではありませんが、クリエイターはリワードを提供できなかったに場合は最大限の説明義務があります。これまでの報告をもってKickstarterの規約に沿った義務を果たせたとは思えません。

今となっては支援した事すら忘れていたぐらいもうどうでもいい事ですが、これからクラウドファンディングを(クリエイターとしても、支援者としても)活用しようと思っている人にはこんなことがあったよってことを知っておいてほしいと思い長々と書いてしまいました。

おわり

自作キーボード Helix 用うすうすパームレストを作る

自作キーボード Advent Calendar 2017の24日目に載せるつもりだった記事です。

最近、Helixという自作キーボードキットのGBを行いました。参加頂いた方ありがとうございます!知らなかったという方も、2次募集を考えていますのでよろしくお願いします。

続きを読む 自作キーボード Helix 用うすうすパームレストを作る

キー配列頂上決戦!さいつよなレイアウトはどれだ!

自作キーボード Advent Calendar 2017 の 24 日目の記事です。

最近、Helix という自作キーボードキットの GB を行いました。参加頂いた方ありがとうございます!
現在は来年の発送に向けて準備を進めているところで、GB を取りまとめるのもなかなか大変な事だと思いながらも楽しく毎日を過ごしています?

続きを読む キー配列頂上決戦!さいつよなレイアウトはどれだ!